数学の参考書ルート
1.学校の授業の内容がわかる
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2.基本的な解法を覚える
↓
3.実践的な問題演習
①「理系(文系)数学 入試の核心 標準編」
②「理系(文系)数学の良問プラチカ」
③「数学 理系標準問題集(駿台)」
④「新数学 スタンダード演習」
⑤「やさしい理系数学」など
数学の勉強の仕方
ここでは、学校の授業を含めまったく数学をやったことない人が、
これから数学をはじめて、一人前にできるようになるためには、どのように勉強を進めれば良いのかについて書きたいと思います。
1.無勉強~学校の授業がわかる レベル
何はともあれ、まずは教科書に載っているような
公式を覚えたり、基本的な計算方法に熟達
しなくてはなりません。
(普通高校に通って、学校の授業を真面目に受け、定期試験対策をしていればこの段階をクリアしていると言えるでしょう。そういう方は2以降へ進んでください)
この段階で用いる参考書は
(通称「はじはじ」)マセマ出版
いずれを用いても良いと思います。
特徴としては、①と③は執筆者が語る形式、②は教科書のような形式になっています。
私は完全にゼロから数学をはじめたため、この段階から勉強しなおしました。使ったのは①の本です。まったく授業を受けたことがない人間にとっては、「講義」風の本が良いだろうと思ったためです。
②はその点で、シンプル過ぎて味気ないように思います。
③は非常に詳しく、丁寧ですが、それだけ分量が多く、労力も多くなりすぎてしまうように思いました。
いずれにせよ、この段階では
数学で扱う概念、公式、計算方法などを一通り見た上で、できればそれらの成り立ちや本質的な意味などもおさえておく。
ということができれば次に進んで良いと思います。いわゆる暗記や、反復練習はさほどこなすこともありません。理解できたら次へ。
2.基本的な解法習得レベル(基礎完成)
「基本的な解法」とは、いわゆる「チャート式」に載っているような問題のことです。
教科書的な公式や計算方法を使って、実際に問題を解くパターン集のようなものだと言えるでしょう。
数学ができるようになる上で、それらのパターン集を一通りインプットする必要があります。英単語が分からないと英文が読めないようなものです。
数学の問題を読み解くために、カギとなる問題のパターンを学ばなくてはならない
のです。
この段階で典型的な参考書としては
↓
この段階での勉強で苦しむ受験生は多く、勉強したことのある方、勉強中の方であればその事情は良く分かって頂けるでしょう。
実際のところ、これまでにどのような勉強をしているか(一人でやってるのか、学校での積み重ねがあるのか、勉強をはじめてどれぐらいなのか…)によって、歩むべき道筋が変わります。一概にこうすればいい、と言いづらいのです。
したがって、道筋を分かりやすくするために、まずゴールについて言及しておきます。
最終的には、
「黄チャート」に載っている例題の8割を理解して解けるレベルに達すれば良い
でしょう。いわゆる「暗記数学」(暗記という文系っぽいやり方で数学ができるようになる、という考え方)が提唱するような、すべての問題の解き方を暗記する必要はありません。
問題を見たときに、ああこれは見たことあるな、あれか、と思い、鉛筆を動かしているうちになんとか解ける。というレベルに全体の8割が達すればいいと思います。
たとえば「黄チャート」の問題量は膨大です。それらの問題を、すべて暗記レベルで解けるようにするには、とてつもない労力がかかります。数学の、しかも一段階にすぎないところで、そのような力をかけるわけにはいきません。
また、この段階でつく力は、先ほど述べたように、あくまでも「本番の問題を解くためのカギ」といえます。問題を解く力そのものではありません。
本当に労力を注ぐべきところは「問題を解く」段階であって、「カギ」のところで全力を尽くしてしまっては元も子もありません。
さて、以上を踏まえて実際の勉強の方法に入りたいと思います。
完全にゼロから勉強をはじめて、1の段階を終えて2に入ろうとする方は、おそらく①「黄チャート」or「青チャート」を選ぶことになります。問題量は膨大ですが、その分基礎体力がつきます。
やり方としては、ともかく、手を動かす。
英単語などとは違って、数学は問題を眺めてもできるようにはなりません。例題を次々と解いていきましょう。
ただし、目的としてはすでに述べたように「カギ」を手に入れることですから、
例題と、それに対応する演習題を両方覚えなくてはいけないのかといえば、そんなことはありません。
その例題、演習題が示している「カギ」がわかれば良いのです。よって、手を動かして問題を解くにしても、覚えるほど何度も解く必要はないと思います。目安としては、例題、演習題を最低1回ずつ解けば何とかなるかと思います。
たとえば、あまりに簡単なものは例題だけでいいでしょう。もちろん、問題によっては2回ずつ解いたりする必要もあると思います。自分との相談です。
一方で、進学校に通っていたり、予備校での蓄積があったりして、ある程度勉強が進んでいる方は、①「青チャート」をできないところだけ飛ばしてやったり、あるいは②「チェック&リピート」にとりくんだりするのが良いでしょう。
②「チェック&リピート」はこの段階の参考書としては、かなり軽量ですので負担は小さいと思います。しかしながら、手取り足とり教えてくれるような簡単な問題を備えていないので、出来る人向けとなっています。
また③「本質の研究」はその名の通り、この段階の勉強を進めながら、なおかつ一つ一つの公式や数学的概念の本質を噛み砕いて教えてくれる良書です。私は用いませんでしたが、今思えば、もっとも数学ができるようになる最短コースはこのような本に取り組むことでしょう。
しかしながら、大変時間がかかります。分厚いですし、内容も読み飛ばせるものではありません。現実的にこの本に立ち向かえるのは、時間的余裕があって、数学が得意になりたいという意志を持った者だけでしょう。
ここまでの勉強を終えることができれば、対策の後、センター試験である程度の点数(7割超えるぐらい)は取れるようになっています。それぐらいで十分、という方はここから問題演習に移って良いでしょう。
ここまで来て、さらに数学ができるようになろうという方には
☆「一対一対応の数学」
が待っています。受験の世界では定番となっている本です。
この本では、
今まで「カギ」としてインプットしてきた知識がどういう意味を持っていて、そして、実際どういう使い方をすればいいのか
ということを学びます。もちろん、①~③の本の問題演習でもあります。難関大学を受験するほとんどの受験生がこの問題集を経ています。
問題量は膨大です。しかし、これも必ず手を動かして解きましょう。
手を動かすことで理解につながります。1つ理解して次へ。1つ理解してまた次へ。と繰り返してゆきましょう。この本が終わるころ、センターなら9割をとる地力はついています。国立大学2次試験レベルの基礎力もついているでしょう。
3.問題演習で実践力をつけるレベル
①「理系(文系)数学 入試の核心 標準編」
②「理系(文系)数学の良問プラチカ」
③「数学 理系標準問題集(駿台)」
④「新数学 スタンダード演習」
⑤「やさしい理系数学」
↓
個別の対策へ
・「ハッとめざめる確率」
・各大学の過去問 など
○センター対策
・「勝てる!センター試験」
・「センター試験 必勝マニュアル」